2026年を迎え、不登校や引きこもり、進路のことで悩まれている保護者の皆さま、そしてご本人の方へ、心よりご挨拶申し上げます。
私は、認定NPO法人 高卒支援会 会長、そして一般社団法人 不登校引きこもり予防協会 代表の杉浦孝宣として、40年以上にわたり、不登校・高校中退・引きこもりの支援に携わってきました。
新しい年の始まりは、気持ちを切り替えたい一方で、現実は重くのしかかります。
「このまま見守り続けていていいのだろうか」
「不登校が引きこもりになり、高校を続けられなくなるのではないか」
そんな不安を抱えたまま年を越されたご家庭も、少なくないのではないでしょうか。
現場で強く感じているのは、不登校 → 引きこもり → 高校中退は突然起きるものではなく、適切な支援や進路の整理につながらないまま時間が経過した結果として起きているケースが非常に多いという事実です。
高卒支援会では、学校に戻すことだけを目的とせず、進学・学び直し・社会との接続を軸に、再出発の道を一緒に設計してきました。この記事では、不登校が引きこもりや高校中退リスクへ進んでしまう家庭に共通して見られるポイントと、そこから再出発につながった実例、そして「今どの段階で何を優先すべきか」を、できるだけ現場の言葉で整理していきます。
不登校・引きこもり・高校中退は一本の線でつながっている
不登校や引きこもりの問題は、「いつか本人が動き出すだろう」と願いながら見守っているうちに、気づかぬうちに次の段階へ進んでしまうことがあります。
特に高校生年代は、出席日数、単位、進級、卒業といった現実的な期限が存在します。そのため、不登校の長期化は、高校中退という進路上の大きな分岐点に直結しやすくなります。
私たちが支援してきた多くのケースでも、後から必ず聞かれる言葉があります。
「不登校の段階では、まだ何とかなると思っていた」
「引きこもり傾向が出てきた時に、どう動けばいいか分からなかった」
大切なのは、「まだ大丈夫かどうか」を感覚で判断するのではなく、今どの段階にいるのかを客観的に整理することです。整理できるだけで、次の一手が見えてきます。
実例と支援の全体像を確認したい方へ
文章だけでは分かりにくい部分については、実際に支援を受け、不登校や引きこもり、高校中退の危機を乗り越えてきたご家庭や、一般社団法人 不登校引きこもり予防協会および認定NPO法人 高卒支援会の卒業生の声を、動画と実例として公開しています。
不登校の初期段階から、引きこもり傾向が強まった時期、そして進学・学び直し・社会接続へと進んでいく過程まで、どの段階で何が変わったのかを、当事者と保護者の視点で確認していただけます。
- 16の成功事例(再出発の実例まとめ)
https://yoboukyoukai.com/seikou14/ - 実例動画再生リスト(親の気づきと再出発)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLQ5vFsyQ5Ln1W-j7CQV0FiErUU1VPRrwY
両団体の役割分担について
不登校や引きこもりは、同じように見えても、必要な支援は段階によって変わります。私たちは、その段階に応じて役割を分け、連携しながら支援を行っています。
不登校の初期段階や家庭内での関わり方の整理、保護者の対応の見直しについては、一般社団法人 不登校引きこもり予防協会が中心となって支援を行います。
一方で、引きこもり傾向が強まり、進路や高校継続・中退の判断、学び直しや社会との接点づくりが必要になった段階では、認定NPO法人 高卒支援会が、進学・通信制高校・フリースクール・就労などを含めた具体的な進路設計と伴走支援を担います。
どちらか一方だけで完結させるのではなく、必要な段階で役割を切り替え、連携して支援を続ける。それが、長期化しやすい不登校・引きこもり支援において、再出発につながりやすい形だと考えています。
不登校が引きこもり・高校中退リスクへ進みやすい家庭で起きていること
ここは誤解のないようにお伝えします。親のせいと言いたいのではありません。多くの保護者は、子どもを思って最善を尽くしています。
ただ、長期化しやすい家庭には、結果として共通しやすいポイントがあります。原因探しではなく、今の修正点を見つけるために読んでください。
1)「見守る」を“方針”にしてしまう
見守ること自体は間違いではありません。問題は、いつまで見守るのか、何を基準に切り替えるのかが決まっていないことです。基準がないまま時間が過ぎると、生活の崩れや社会との断絶が固定化しやすくなります。
2)生活の崩れを「気持ちの問題だけ」で捉えてしまう
起きられない、昼夜逆転、食事が不規則、入浴が減る。こうした変化は、怠けではありません。ただ、回復を「気持ちが整えば自然に戻る」に任せ続けると、身体的にも動けない状態が固まりやすくなります。ここを一度整理するだけで、道筋が見える家庭は多いです。
3)親が正解探しに疲れ、動けなくなる
情報が多すぎる時代です。真逆のことが書いてある記事もあります。迷うのは当然です。ただ、一定の段階を超えると、何もしない状態が続くこと自体がリスクになります。ここが「分かれ道」です。
高卒支援会が行っている具体的支援内容(通信制高校・学び直し)
引きこもり傾向が強まり、「このまま高校を続けられるのか」「中退してしまうのではないか」という不安が現実的になってきた段階では、支援の軸は進路と生活の再設計へ移ります。高卒支援会が担っているのは、まさにこの「次の現実的な一歩」を一緒に組み立てていく支援です。
通信制高校・転編入の選択肢整理
- 在籍状況・単位・出席日数の整理
- 通信制高校への転校・編入の可否確認
- 通学型・オンライン型など学習スタイルの検討
「とにかくどこかに入れる」のではなく、今の生活リズムと状態に合った学び方を一緒に選ぶことを大切にしています。
学び直しは「勉強」より先に、生活の土台
学力以前に必要なのは、起きる・外に出る・人と関わるといった生活と社会性の土台です。通信制高校やフリースクール等と連携しながら、学習と生活改善が同時に進むように支援します。
社会との接点を“段階的に”取り戻す
長期化した引きこもりほど、いきなり大きな目標は逆効果になりやすいものです。小さな外出、短い対人機会、体験的な活動、アルバイト等、段階的な社会接続を設計し、本人のペースで前に進める形をつくります。
高校中退後の再設計にも対応
すでに中退してしまっている場合でも、選択肢がなくなるわけではありません。通信制高校での再入学、高卒認定を含めた進路整理、就労準備など、年齢・状態に応じて「次の一歩」を組み立てます。重要なのは、中退そのものより、そこからどう再設計するかです。
【データで見る】2025年10月〜12月の相談実績
高卒支援会対応(進路再設計・学び直し・社会接続が中心)
- 相談件数:95件
- 総合面談件数:91件
- 総合入会件数:4件
- 訪問・アウトリーチ支援による解決事例:3件
※注釈(定義)
「訪問・アウトリーチ支援による解決事例」とは、家庭内に閉じこもった状態から、対人関係や外出・通学・学習・就労体験など社会との接点が再開し、進学・学び直し・社会接続に向けた行動が本人主体で安定して継続している状態を指します(元の学校への復帰や即時就職のみを解決とは定義していません)。
「今は見守るべきか」を整理したい方へ
もし今、次のような状態にある場合は、いきなり結論を出さなくて大丈夫です。まずは現状を整理するところから始めてください。
- 不登校が長期化し、進路が見えなくなっている
- 引きこもり傾向が強まり、高校継続が難しくなってきた
- 通信制高校・学び直し・中退後の道をどう組み立てればいいか分からない
📩 30分無料相談(状況整理・方向性確認)
今の段階で「見守るべきか」「関わり方を変えるべきか」「進路を先に整えるべきか」を一緒に整理します。必要に応じて、予防協会(親の関わり)と高卒支援会(進路・学び直し)で役割分担し、切れ目なく支援します。
最後に
不登校や引きこもりは、家庭の努力不足ではありません。ただ、適切なタイミングで支援につながるかどうかが、その後の進路を大きく分けます。
2026年が、「耐える年」ではなく、「動き出す年」になることを願っています。必要なときに、必要な支援を。——それが、私たち高卒支援会の役割です。

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