不登校の子どもの要求に「全てうん」は危険!エスカレートを防ぐ対応

みなさんこんにちはスタッフの根本です。

最近不登校関連の本で話題になっている、子どもの要求は全て応えようという一節から、

本日は『不登校の子どもの要求に「全てうん」は危険!エスカレートを防ぐ対応』というテーマで話をしていきたいと思います。

不登校のお子さんは、学校に行けないことへの不安ストレスを抱えています。そうした中で、親御さんに対して「ゲーム機を買って」「ゲームやらせて」「スマホずっと使わせて」「好きな時間に寝ていい?」など、様々な要求をしてくることがあります。

子どもが家にいることに罪悪感を抱き、「せめて家では機嫌よく過ごしてほしい」「落ち込んだ気持ちを回復して欲しい」と、つい要求を全て受け入れてしまう親御さんも少なくありません。しかし、その対応には大きな注意が必要です。

要求が「エスカレート」するメカニズム

お子さんの要求が強まったり、頻度が増したりする現象は、単なる「わがまま」の場合と子どもの心の仕組みと密接に関係している場合があります。

1. 「心の安定」を試すバロメーター

不登校のお子さんは、自己肯定感が低下し、極度の不安を抱えています。

  • 「これを要求しても、親は私を見捨てないか?」という確認作業として、要求をエスカレートさせることがあります。
  • 親が全て受け入れると、「この要求も通る」「私は何でも許される」と学習し、より大きな要求を出すようになります。これは、際限なく親を試している状態とも言えます。

2. コミュニケーションの歪み

不登校のお子さんにとって、要求が通ることは「親が自分に関心を向けてくれた」という成功体験になりがちです。

  • 要求=コミュニケーション手段となってしまい、本当に伝えたい不安や苦しみを言葉ではなく、モノや行動(夜更かしなど)への要求という形でしか表現できなくなります。

3. 社会性の育ちを妨げる

要求が全て通る環境は、家庭内では快適かもしれませんが、「我慢すること」「折り合いをつけること」「社会のルールを守ること」を学ぶ機会を奪ってしまいます。結果として、社会復帰へのハードルをさらに高めてしまうリスクがあります。こうなってしまうと、不登校から引きこもりになってしまうケースが多く、立ち直るまでの時間や労力が大きくかかる可能性が上がります。


「全てうん」が引き起こす3つの危険

要求を全て受け入れることは、一時的な平和はもたらしますが、長期的にはお子さんの成長と親子の関係に深刻な影響を与える可能性があります。

1. 家族関係の崩壊

親が疲弊し、限界を迎えたときに突如として要求を拒否すると、お子さんは「裏切られた」と感じ、パニックや激しい反発(二次的な不登校の要因にもなりかねません)を示す可能性があります。

2. 自立の遅れ

お子さんが自分で考え、自分で決める機会を失います。全て親がレールを敷き、要求に応えてくれる状態では、不登校から立ち直るためのエネルギーや、社会で生きていくための自立心が育ちません。

3. 不登校からの回復の遅延

生活リズムの乱れ(ゲームのしすぎ、昼夜逆転など)を要求通りに許容し続けると、心身のバランスが崩れ、不登校からの回復に必要なエネルギーや意欲が湧きにくくなります。


エスカレートを防ぐための「賢い対応」

要求のエスカレートを防ぐためには、「感情は受け止めるが、要求は吟味する」という姿勢が重要です。

1. 「感情の肯定」と「要求の否定」を分ける

  • (NG例)「ダメ!ゲームばっかりして!」
  • (OK例)「ゲームが欲しくなるくらい、今の生活が退屈なんだね。その気持ちはよくわかるよ。でも、今すぐ新しいゲーム機を買うのは難しいんだ。」
    • まず、お子さんの心の奥にある不安や欲求に寄り添い、感情を肯定しましょう。その上で、冷静に要求そのものについては「ノー」を伝えます。

2. 譲れない「境界線(ルール)」を明確にする

家庭内で「これだけは守る」という譲れないルール(例:暴力・暴言は禁止、食事の時間だけはリビングに来る、昼夜逆転はしない)を少数決めて、一貫して守るように促します。

3. 代替案や選択肢を提示する

「ダメ」で終わらせず、「それはできないけれど、代わりにこういうことはできるよ」と代替案を提示しましょう。

  • 例:「新しいゲーム機は買えないけど、一緒に近くの公園でバドミントンをしない?

これは、お子さんに対し「あなたは親に愛されているが、何でも思い通りにはならない」という健全な現実を教えることにつながります。

不登校の対応は長期戦です。親御さん自身が心身ともに疲弊しないよう、家庭外の専門家のサポートも積極的に活用してください。

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