みなさんこんにちは! スタッフの根本です。
先日、元々不登校で「一人暮らし」をサポートしていた高校3年生のH君が先日第二志望の大学に推薦で合格しました。元々、人前でしゃべることもできなかったH君にとって大学合格を勝ち取り、週3回のアルバイトを頑張れるようになったのは一人暮らしをしたことによるきっかけだったのは言うまでもありませんでした。
本日は、同じように不登校でお悩みの方向けに、「一人暮らし」が再スタートのきっかけとして効果的かどうか、当会の経験を基にお話しします。
結論:効果は「人による」。事前準備が成功のカギ
まず結論からお伝えします。
効果的な子もいれば、逆効果になってしまう子もいます。
一人暮らしは、自立を促す強力な手段である反面、環境の変化によってかえって引きこもりを加速させるリスクもあります。そのため、事前にお試し期間と明確なルール設定が不可欠です。
1. 一人暮らしの最大の効果:自立心の獲得
一人暮らしの最大の目的は、言うまでもなく「自立」です。
- 生活のすべてを自分で管理する訓練:
- 朝、自分で起きて家を出る。
- 洗濯、掃除、料理などの家事をすべて一人でこなす。
不登校の子どもたちの中には、内側にエネルギーが有り余っているのに発散する場所がなく、モヤモヤしている子が少なくありません。生活のすべてを自分で回すという「大変な毎日」を送ることで、そのエネルギーをポジティブな方向へ使い切り、不登校から立ち直るきっかけを掴めることが期待できます。
「自分で物事ができる」という自信が、自立へと繋がります。
2. リスク:引きこもりや生活荒廃の恐れ
一方で、不登校を経験している子の半数は、「家に閉じこもるのが好き」「外に出たくない」という傾向が強いことも事実です。
そういったケースでの突然の一人暮らしは注意が必要です。多くの場合、以下のような問題が発生する恐れがあります。
- 家の鍵を閉め切って誰にも入れないようにする。
- 保護者や支援者との連絡が取れなくなる。
- 部屋で倒れているなどの緊急事態につながる。
- 2~3ヶ月で部屋の管理ができず、生活が荒廃する。
3. 【重要】成功確率を高めるための2つのルール
実際に一人暮らしができるかどうかは、やってみないと分からない部分があります。しかし、費用や安全面のリスクを避けるため、当会では以下のステップとルールを強く推奨しています。
① まずは「1ヶ月のお試し生活」を経験する
本格的な契約の前に、マンスリーマンションなどを利用して約1ヶ月の中期的な一人暮らしを試しましょう。
- 判断の目安:
- 毎日、家から一歩も出ない日がある。
- 部屋の片付けができず、荒れていく。
特に高校生くらいの子どもにとって、生活を自分でコントロールし続けるハードルは非常に高いです。最初の1ヶ月で上記の兆候が見られた場合、一人暮らしを続ける確率は大きく下がると判断できます。
② 必ず「アルバイト」を義務付ける
当会では、一人暮らしをする子にはアルバイトを必須のルールとしています。
- 目的:
- 家にいない時間を作り、社会との接点を持つ。
- 働くことの大切さや楽しさを実感する社会経験を積む。
- お金を稼ぐ大変さを知り、生活費を自分で負担することで自立心を高める。
経験上、一人暮らしが続いている子は全員アルバイトを継続しており、失敗してしまう子はアルバイトをしない、または途中で辞めてしまうケースがほとんどです。辛くても「続けること」が何よりも大切です。
一人暮らしを希望されている方へ:まずはご相談を
当会では、不登校を経験しながらも、一人暮らしを通して自立し、次のステップに進む子どもたちを継続的にサポートしています。
「一人暮らしをしたい!」という希望がある場合でも、すぐに本格的に始めるのではなく、一旦お試し期間を設けたり、ルールを明確に決めることが成功への近道です。
一人暮らしや寮生活についてのご相談を随時お待ちしております。
認定NPO法人高卒支援会では、寮生活サポートを通じて、生徒一人ひとりが自分の生活を見つめ直し、自律心を養いながら生きていく力を身につけるお手伝いをしています。詳細はウェブサイトをご覧ください。 寮生活サポート – 認定NPO法人高卒支援会 (kousotsu.jp)
