世田谷区要保護児童支援協議会 構成員 渋谷区フォロースタッフ(訪問員) 大倉です。
世田谷区・千代田区・豊島区・板橋区など不登校 引きこもり 小学生中学生 の相談を承っております。
今日は、「五月雨登校の対応は順番が大事!親がやってはいけないNG行動と声かけ」というテーマでお話したいと思います! 本題に入る前にお知らせをさせてください。
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「今日は行けそう?」「昨日休んだから、今日こそは…」
五月雨登校の子どもを抱える親御さんは、毎朝こんな気持ちを抱えながら玄関を見送りしているのではないでしょうか。
認定NPO法人高卒支援会には、不登校・行き渋りでお悩みの親御さんから年間数千件のご相談が寄せられます。その中で「1日登校できると次の日は休む」「週に1〜2日休むペースが続いている」という、いわゆる五月雨登校のご相談は少なくありません。
ただし、安心はできません。
さらに、この時期の対応を間違えると、完全な不登校へ進んでしまうことがあります。逆にいえば、五月雨登校は不登校を防げる最後のタイミングでもあります。
この記事では、これまで多数の家庭を支援してきた経験から、五月雨登校のときに親がやってはいけないNG行動と、今日から使える声かけの「順番」を解説します。
五月雨登校とは?「休みがち」と「不登校」の境界線
五月雨登校とは、「行く日」と「行かない日」が入り混じった登校状態を指す言葉です。明確な定義はありませんが、週に1日〜2日ほど学校を休むペースが続いているなら、五月雨登校と考えて差し支えないでしょう。
文部科学省の調査では、年間30日以上欠席した児童生徒は小中学校だけで約35万人と過去最多を更新しています。そして重要なのは、完全な不登校に至る前に、行き渋りの段階が必ず存在するということです。
| 状態 | 目安 |
|---|---|
| 休みがち | 月に数日休む。本人も「行けばよかった」と感じている |
| 五月雨登校 | 週1〜2日休む・遅刻する。行ける日と行けない日が交互に来る |
| 不登校 | 年間30日以上欠席、または休む意志が本人に固まっている |
境界線を見分けるポイントは「本人に休む理由の言語化があるか」です。「明日は体調が心配」と話せるうちは行き渋りの範囲ですが、「どうしても無理」と理由自体を話せなくなる段階から、支援の入口は広く取る必要があります。
私たちのもとにご相談が来る家庭の多くは、この五月雨登校の段階を「そのうち行くようになるだろう」と見守っている間に、2学期の中盤で急に登校できなくなっています。「まだ不登校ではないから」と安心せず、今のタイミングで対応を整えることが何より重要です。
※言語化が苦手な生徒向けに全体授業なども行っています。
→https://note.com/kousotsushienkai/n/n1da92e7918e3
五月雨登校が起きる3つの原因
対応を誤らないためには、まず「なぜ行ける日と行けない日が出るのか」を理解する必要があります。理由を「怠け」「気まぐれ」と捉えると、対応は必ず間違った方向へ向かいます。
① 課題の種類による偏り
苦手な教科・先生・行事がある日だけ休むケースです。数学の授業がある日は休む、体育がある日は遅刻する、といった曜日による偏りがあれば、学校内に具体的なつまずき要因があります。
② エネルギーの使いすぎと回復のサイクル
学校で1日過ごすだけで、子どもによっては大量のエネルギーを消費しています。「行ける日」に消耗しきった翌日はどうにも動けない——これは体調不良と同じ現象で、本人の意志とは別の問題です。
③ 「行ける自分」を維持するための過緊張
実は最も多いのがこのタイプです。休む日が続くと「また休んだら」という焦りが生まれ、行ける日に張り詰めた糸のように頑張りすぎてしまいます。すると翌日に糸が切れ、休息のために休む——この悪循環で五月雨登校が続きます。一見「行けるんだから頑張れるはず」と思えますが、本人はギリギリの綱渡りをしている状態です。
原因がどれであっても共通するのは、子ども自身も「行きたいのに行けない」ことに一番苦しんでいるという点です。この前提を持てるかどうかで、次に挙げるNG行動を避けられるかが決まります。
【NG】親がやりがちな対応5つ
支援現場で最も多く見かける、五月雨登校期に親がやりがちな対応を5つ挙げます。どれも愛情から出た行動ですが、子どもを追い込みやすい点で共通しています。
NG1. 「休みそう」と感じた朝に急かす・催促する
「まだ起きてないの?」「遅れるよ!」という声は、過緊張状態の子どもの糸をさらに引き上げます。結果、当日の登校はおろか、翌日以降も休みやすくなります。
NG2. 休んだ日に責める・理由を問い詰める
「どうして昨日行かなかったの?」という問いかけは、本人が答えられない質問です。理由を説明できないこと自体が症状の一つだからです。答えられない時間が続くと、子どもは「親に悪いことをしている」という罪悪感を抱え、次第に親と話すこと自体を避けるようになります。
NG3. 長時間の説教・叱咤
休んだ夜に「このままじゃ受験できない」「お母さんは恥ずかしい」と長く話すのは、本人にとって復学への後押しではなく「家でまで責められる場所がなくなる」体験です。
NG4. その都度「行くかどうか」を子どもに決めさせる
「じゃ、今日休む?」「遅刻で行けそう?」と毎朝本人に判断を委ねる対応です。支援者が推奨する対応と似ているため注意が必要ですが、何も前提がないまま判断だけを子どもに投げるのは、判断ができない子どもには毎朝の試練になります。順番があるためです(次の章で詳しく解説します)。
NG5. 兄弟や友人と比較する
「○○ちゃんは毎日行ってるのに」という一言は、五月雨登校の子どもには「私は劣っている」というメッセージとして届きます。比較は行動を変えさせず、自己否定を強めるだけです。
正しい対応の順番は「安心→選択」|状況別の声かけ例文集
NG行動を避けるだけでは対応として不十分です。大切なのは、声かけの順番です。
例えば、多くの親御さんは、いきなり「どうしたい?」と子どもに選択を求めます。しかし不安を抱えた子どもにいきなり選択を求めると、子どもは「どちらを選んでも失敗する」恐怖を感じて何も答えられなくなります。
正しい順番はこうです。
① まず安心させる → ② そのあとで選択肢を提示する
具体的な声かけの例文を状況別に紹介します。すべて、①安心→②選択の順で構成しています。
■ 朝、起き上がれないとき
✕「早く起きなさい!」 ○「今日は無理しなくていいよ。お母さんはあなたがここにいてくれれば十分」(①安心) 「もし起きられるようだったら、午後からだけでも行けるかな」(②選択)
■ 「今日は休みたい」と言われたとき
✕「昨日も休んだじゃない」 ○「そうか、今日は休みたいんだね。分かった」(①安心) 「〇曜日は好きな授業がある日だから、その日だけ考えてみたら?」(②選択)
■ 行けた日の夜
✕「よかった!明日も行ける?」 ○「今日は行けたね、すごいよ」(①安心) 明日については触れない(②選択を未来に残す)
行けた日に「明日も」と聞くのは、子どもにとって「今日の達成は前借り」の感覚を生みます。行けた日は達成だけを喜び、明日への予測を親から提示しないことが、綱渡りを長続きさせないコツです。
■ 休んだ日の夜
✕「また休んだね。どうして?」 ○「今日はゆっくりできた?」(①安心。理由を問わない) 「ごはん、何が食べたい?」(②日常の選択を回す)
休んだ日の夜のゴールは登校の約束ではなく、「休んでも親は離れない」という体験の積み重ねです。また、罪悪感を与えずに夜を過ごせるかが、翌週の登校率を左右します。
行けなかった日を責めないために|親自身の心の整え方
ここまで読んで、「分かっているのに、実践が難しい」と感じた方も多いはずです。親自身が疲弊していると、上記の声かけは続けられません。
私たちの相談事業でも、まずご家族自身の休息を最優先に頂くようお伝えします。特に、推奨しているのは次の3つです。
- 夫婦・家族で役割を分担する:毎朝の声かけを一人に任せない
- 「登校の記録」ではなく「過ごせた記録」を見る:起きられた、食べられた、話しかけられた——小さな変化を記録すると、親の視点が「できないこと」から「できていること」へ移ります
- 親自身の相談先を一つ持つ:誰にも話せない状態が長引くと、家庭全体が疲弊します。当事者の親が集まる家族会や、無料の専門相談を一つ確保しておくだけで心の余裕が変わります
働く親御さんからは「誰にも相談できなかった」という声も多く聞きますが、相談は早い段階ほど選択肢が広がります。子どもの状態が悪化してから動くのではなく、五月雨登校の段階から親が相談先を確保しておくことをおすすめします。
学校・担任と連携するときの伝え方
五月雨登校期は、学校との連携を整える絶好のタイミングでもあります。この時期に担任と信頼関係を作っておくと、仮に休みが長期化しても対応がスムーズです。
伝える内容は「記録」と「お願い」に分ける
- 記録:「今月は週1〜2日休みがちです」「〇曜日の授業の日に休みやすいです」——感情ではなく事実を伝える
- お願い:「遅刻でも登校できたら朝は声をかけないでください」「保健室休憩を認めていただけるなら午後からでも行けそうです」——具体的な配慮を依頼する
避けたいのは「息子/娘が学校を怖がっているんです」と感情のみを訴える形です。担任は子どもを直接見られないからこそ、親からの具体的な情報が対応の決め手になります。
連携先は担任だけではない
担任との面談で進まない場合は、スクールカウンセラーや学校のスクールソーシャルワーカー、教育委員会の相談窓口など、複数の窓口があります。また、学校以外の民間の支援機関やフリースクールを「学校と併用しながら」利用する家庭も増えています。どちらか一方を選ぶものではなく、行ける日は学校、難しい日は居場所という併用が、五月雨登校〜不登校期には有効です。
よくある質問
Q. 五月雨登校が続くと出席日数は足りなくなりますか?
A. 週1〜2日の欠席でも年間では30日を超えることがあり、受験で不利になる場合があります。ただし、自治体によってはフリースクールやオンライン学習などが「出席扱い」になる制度があります。要件として「保護者と学校の連携が保たれていること」などが定められているため、早めに担任や教育委員会に確認することをおすすめします。
Q. この状態が何ヶ月も続いています。もう不登校と考えたほうがいい?
A. 休みのペースが加速している(週1日→週3日など)なら、五月雨登校から不登校への移行期と考えたほうがよいでしょう。逆に、ペースが落ち着いているなら現状維持を大切にして構いません。判断に迷うときは、専門機関に現在の様子を一度見てもらうと安心です。
Q. 子どもが学校の話も親の話も受け付けてくれません。
A. まずは話しかけるのを1週間ほど休むことから始めてください。理由を問わず、食事や日常の世話だけを淡々と続けることで「責められていない」という感覚が戻ります。そのうえで、親が一人で抱え込まず専門の相談先を利用することが、結果的に子どもとの距離を取り戻す近道になります。
まとめ:順番を守れば、五月雨登校は転機になる
五月雨登校期の対応を、3つのポイントにまとめます。
- 五月雨登校は不登校を防げる最後のタイミング。「そのうち行く」と見守るだけでは長期化しやすい
- 声かけは「安心→選択」の順番。いきなり選択を求めず、まず受け止める
- 親自身が孤立しないこと。家庭の外に相談先を一つ確保しておく
認定NPO法人高卒支援会では、行き渋り・五月雨登校の段階からのご相談を、電話・オンライン・LINEで無料で承っています。これまで不登校・ひきこもりの家庭から多数のご相談を頂き、フリースクールや通信制高校サポート校を通じて「行ける日を増やす」支援を続けてきました。
「まだ不登校ではないけれど、このままでいいのか不安」——その段階だからこそ、ぜひ一度ご相談ください。


