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フリースクールに「行きたくても行けない」子どもたち ― 利用率の低さから見える不登校・ひきこもり問題

世谷区要保護児童支援協議会構成員、 渋谷区フォロースタッフ(訪問員)
千代田区フリースクール協議会練馬区フリースクール連携会議を務めております、
LEC東京リーガルマインドNTTesportsと連携し、不登校・ひきこもり支援に取り組む
認定NPO法人高卒支援会」です。フリースクール通信制高校を運営しています。

ご案内

本日は、

フリースクールに「行きたくても行けない」子どもたち ― 利用率の低さから見える不登校・ひきこもり問題
というテーマでお話ししたいと思います。
その前に、いくつかのお知らせをさせてください。

Tel:0359370513
Mail:info@kousotsu.jp
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書籍情報

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フリースクールに「行きたくても行けない」子どもたち
― 利用率の低さから見える不登校・ひきこもり問題

過去最多35万人という数字の裏側

文部科学省の調査によると、2024年度(令和6年度)の小・中学校における不登校児童生徒数は35万3,970人と、12年連続で増加し、過去最多を更新しました。1クラスに1人はいてもおかしくない数字と言われるほど、不登校は今や「特別な事情」ではなく、身近な問題になっています。

一方で、こうした子どもたちの「学校以外の居場所」として注目されるのがフリースクールです。学校に行けない・行かないことを否定せず、子どものペースで学びや人との関わりを取り戻していく場として、その存在意義は年々高まっています。

しかし実際のデータを見ると、フリースクールにたどり着けている子どもは、驚くほど少数派です。

利用率はわずか数%、8割が「利用したことがない」

ベネッセコーポレーションが2025年11月に実施した調査では、不登校経験のある小中学生の保護者の82%が「フリースクールを一度も利用したことがない」と回答しています。また、以前の文科省調査でも、フリースクールを含む民間施設の利用者は不登校児童数のわずか3.7%程度にとどまるという結果が出ています。

決して「フリースクールを求めていない」わけではありません。同じベネッセ調査では、現在不登校または不登校の兆候がある子どもの保護者のうち74%が「条件が合えば利用したい」と答えています。つまり、ニーズはあるのに、そこにたどり着けていないのが実態なのです。

利用が進まない理由として、ベネッセは「認知不足」「費用面の負担」「地理的な制約」を挙げています。加えて、

  • フリースクールの存在や違いがそもそも保護者に十分知られていない
  • 月2〜3万円程度の利用料が家計にとって負担になる
  • 都市部以外では通える距離に施設がない、あるいは選択肢が1〜2カ所しかない
  • 「学校に戻れないなら仕方ない」という消極的な選択に感じてしまい、一歩を踏み出しにくい

といった、情報・経済・心理の三重のハードルが重なっていると考えられます。

「利用しない」まま時間が経つとどうなるか

ここで見過ごせないのが、不登校とひきこもりの連続性です。文科省の調査では、一度不登校になった児童生徒のうち、翌年度も不登校が続く「不登校継続率」は中学校で77.1%にも上ります。学校にも、フリースクールのような学校外の居場所にもつながれないまま時間が経つと、外部との接点がどんどん失われていきます。

内閣府(現・こども家庭庁)の調査では、外出をほとんどしない状態が続く「広義のひきこもり」状態にある人が、15〜64歳で全国推計146万人、若年層では約50人に1人に上るとされています。不登校のすべてがひきこもりに直結するわけではありませんが、「学校に行かない」状態から「誰ともつながらない」状態への移行を防ぐ、いわば防波堤の役割を果たすのが、フリースクールをはじめとした学校外の居場所であることは間違いありません。

つまり、フリースクールの利用率の低さは、単に「便利な選択肢が使われていない」という話ではなく、将来的なひきこもりや長期の社会的孤立のリスクを高めている可能性がある、という視点で捉える必要があります。

高卒支援会として伝えたいこと

私たちが日々向き合っている高校生・高校中退者・不登校経験者の支援の現場でも、同じ構造をよく目にします。中学時代に不登校になり、フリースクールや適応指導教室などの情報にアクセスできないまま孤立し、高校進学後にさらにつまずいてしまう。あるいは、高校を中退した後、次の一歩が見つからずそのまま自宅にひきこもってしまう。こうしたケースの背景には、多くの場合「どこに相談すればいいか分からなかった」「そもそも選択肢の存在を知らなかった」という共通点があります。

大切なのは、学校に「戻す」ことだけを目標にしないことです。文科省自身も、不登校対策の基本方針として学校復帰ではなく「社会的自律」を掲げています。フリースクール、教育支援センター、通信制高校、そして私たちのような高卒資格取得支援団体は、それぞれ役割は異なりますが、すべて「学校という一つのルートだけに頼らない、多様な学びと自律のかたち」を支える仲間だと考えています。

そのために、私たちができることは大きく3つあると思っています。

  1. 情報を届けること ― フリースクールや支援制度の存在を、必要としている家庭に届ける。知らなければ選ぶことすらできません。
  2. 早い段階でつながること ― 不登校が始まった初期段階、あるいは高校中退という節目で、孤立が長期化する前に相談窓口や居場所につなぐこと。
  3. 「学び直し」と「社会的自律」を切り離さないこと ― 高卒資格の取得はゴールではなく、その先の就労や自分らしい生き方につながる一歩として支援すること。

おわりに

フリースクールの利用率の低さは、子どもや家庭の意欲の問題ではなく、情報・費用・地域という構造的な壁の問題です。そしてこの壁を放置すれば、不登校がひきこもりへ、そして長期の社会的孤立へとつながっていくリスクがあります。

私たち高卒支援会は、学校に行けない・行かないことを問題視するのではなく、「どこにもつながれていない」状態をなくすことを目指して、これからも情報提供と支援活動を続けていきたいと思います。同じ悩みを抱える保護者やお子さんに、
この記事が少しでも選択肢を知るきっかけになれば幸いです。


参考データ:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」、ベネッセコーポレーション「不登校・フリースクールに関する意識調査」(2025年11月)、内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査」(令和4年度)