東京・神奈川・埼玉、広がるSOSの声。地域を越えて手を取り合い、一人の若者を「納税者」という誇りある存在へ導く使命。
一般社団法人未来自律支援機構(JADA) 代表理事 / 認定NPO法人高卒支援会 会長 杉浦孝宣
1. 導入:春の陽気の裏側にある「SOS」
4月、新しい門出の季節。街には期待に胸を膨らませた新入生や新社会人の姿が溢れています。しかし、その陽気の裏側で、私たちの元には過去最多となる切実な相談が寄せられています。
東京、神奈川、埼玉……地域を問わず、多くの方が孤独に悩み、出口の見えない暗闇の中にいます。私たちはその声を、単なる一時的な悩みではなく、未来を左右する「SOS」として重く受け止めています。
2. 4月の現状報告:数字が語る「実(じつ)」の重み
JADA(未来自律支援機構)が統括し、実働部隊である高卒支援会が現場を走る。この二段構えの支援体制が、4月も多くの命を繋ぎました。
- 相談件数の推移: 2月(14件)→ 3月(16件)→ 4月(22件)と、GWを前に相談が急増。
- アウトリーチ(訪問支援)実績: 全体113名に対し、91名の成功。
この「91」という数字は、単なる統計ではありません。91の家庭に再び家族の会話が戻り、止まっていた子供たちの時計が動き出した、確かな証拠です。もちろん、失敗した16名、継続中の6名という事実からも目を背けません。この重みを糧に、私たちはさらなる支援の質を磨き続けます。
3. 「自律」への7つのステップ:なぜ私たちは「納税者」を目指すのか
私たちのゴールは、単に「学校に行くこと」や「外に出ること」ではありません。JADAが掲げる真のゴールは、自律して三大義務(教育・勤労・納税)を果たせるようになることです。
なぜ「納税者」にこだわるのか。それは、納税こそが社会から必要とされている「自己有用感」の究極の証明だからです。誰かに養われるのではなく、自らの力で生き、社会に貢献する。その誇りを取り戻すことこそが、若者たちが胸を張って生きていくための唯一の道だと確信しています。
4. 現場からの真実:通信制高校への転校と「その後」の課題
4月の相談で特に多かったのが、通信制高校への転校や進級に関する悩みです。「環境を変えれば解決する」——そう信じたい気持ちは痛いほど分かります。しかし、現実は甘くありません。環境を変えただけで、内面が変わらなければ、再び「302(不登校の再発)」の罠に落ちてしまいます。
転校というきっかけを、どうやって「自律」という実りに繋げていくか。JADAの「5段階ステージ判定」に基づいた適切な介入と並走者がいて初めて、環境の変化は意味を持ちます。
5. 結び:地域を超えた連携と、私たちの使命
一人の力は微力ですが、JADAという知性と高卒支援会という行動力が地域を越えて手を取り合えば、変えられる未来があります。東京・神奈川・埼玉、そして日本中、世界中で悩む若者たちを一人でも多く「納税者」という誇りある存在へ導くこと。
それが、40年1万人以上を見てきた私たちの、変わらぬ、そして揺るぎない使命です。
「虚往実帰」——空虚な思いで門を叩いた者が、実りを得て社会へ帰っていく。
私たちは、その場所であり続けることを誓います。。


