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【訪問支援の実記】「もう無理だ」と思ったゴミ屋敷から、3ヶ月で社会の一歩を踏み出すまで。

みなさんこんにちはスタッフの根本です。

いつ、どこで終わるとも知れない、子どもの引きこもり。 その悩みは、深くなるほどに家庭内で抱え込まれ、周囲には見えない形で深刻化していきます。

本日ご紹介するのは、私が訪問支援(アウトリーチ)で出会った、ある高校1年生の事例です。 当時の壮絶な状況と、そこからの「再生」の記録をここに記します。 今、絶望の淵にいる保護者の方にとって「希望」となれば幸いです。

扉の向こうの、3重の絶望

私が初めて彼のご自宅を訪問する直前、ご両親と面談を実施いたしました。

その時は不登校期間3か月、ご両親は引きこもりではなく不登校という認識でした。

しかし、話を聞いていると「もう3ヶ月、あの子の顔を見ていません」ということで訪問支援(アウトリーチ支援)を実施することになりました。

複数回訪問を実施するもお子さまの部屋にはドアがあり、押してもビクともしない状況でした。

ドアの隙間から見ると、家具や荷物がうず高く積まれ、物理的な「3重バリケード」が築かれていました。それは親を拒絶し、自分を外の世界から完全に遮断するための、彼なりの防衛本能でした。

食事はドアの前に置くものの、彼は親が決して見ていない、深夜や早朝にしかドアを開けません。 そして、その部屋からは、想像を絶する異臭が漏れ出ていました。

このままでは状況が悪化するため、お父さまの協力のもと、ドアを開けることに。

「死んだ魚」と「部屋でのトイレ」

意を決して、お父さまそのバリケードを崩してもらい、一緒に部屋に入った瞬間の光景を、私は一生忘れません。

足元は見えず、床一面を覆い尽くすゴミと、何かをぶつけ、破壊した痕跡。

その惨状の中で、最も衝撃的だったのは、2つの事実でした。

1つは、ペットだった魚が水槽で死んだまま、何か月も放置されていたこと。 彼はその死臭の中で、ただ静かに、絶望と向き合い続けていました。

もう1つは、彼が排泄の一部を部屋の中で済ませていたこと。 ペットボトルやカップラーメンに詰められた排泄物が、ゴミの中に埋もれていました。

「人間らしい生活」は、そこにはありませんでした。 しかし、これこそが、彼が抱えていた、言葉にならないほどの大きな苦しみ、そして「SOS」の形だったのです。

本当の支援のスタート

この状況の中、本人は布団にうずくまっており、私はご両親と共に「すぐに片付けなさい」「部屋から出なさい」とは言わず、黙々と部屋のゴミを片付けました。ゴミ袋5つほどのゴミを部屋から出し、布団越しに「君と話をしたい」と一言伝え部屋から出て1週間後訪問をしました。

驚いたのは1週間後、ベッドに座っている彼の姿でした。

このような部屋にいる状況だったにもかかわらず、なんと彼は部屋のゴミを捨てた子どで気持ちがリセットされたそうです。

どうにかしないといけないと思いながらも、現実逃避をしていた彼を責められません。

3ヶ月後、彼は自分の足で玄関をまたいだ

支援は、決して平坦ではありませんでした。 激しい拒絶に遭うことも、一進一退を繰り返すこともありました。

しかし、根気強い対話と、スモールステップの積み重ねで、彼の心は動いていきました。

そして、訪問を始めてから3ヶ月が経った、ある日のことです。

驚くべきことに、彼はその足で玄関まで歩き、一歩、外の世界へ踏み出したのです。

お母様の、あの安堵と驚き、そして喜びが混じった涙は、支援に携わる私たちにとっても、かけがえのない瞬間です。

■ 結びに:どんな状況からでも、やり直せる

部屋でトイレをし、死んだ魚と眠っていた。 その事実だけを聞けば、誰もが「手遅れだ」と思うかもしれません。

しかし、それは違います。 どんなに深い絶望の中にいても、適切な支援と、ご家族の「諦めない気持ち」さえあれば、人は必ず、いつからでも立ち直ることができます。

今回の事例は、特別ではありません。 ご提示いただいた写真のような現場は、私たちの訪問支援では日常的に目にする光景です。 そして、そこから再生していく子どもたちの姿も、私たちは数多く見てきました。

今、同じような状況で、誰にも相談できずにいる保護者の皆様。 どうか、一人で抱え込まないでください。 「3重バリケード」の向こう側には、まだ、彼らの可能性が眠っています。

現在私自身5名の訪問支援に携わっております。我々スタッフ一人ひとりが訪問支援に長く携わってきました。

引きこもりで家から出なくてお困りの保護者さまご相談お待ちしております。

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