埼玉県の不登校中学生でも県立高校に進学出来ます 方法と解説

みなさんこんにちは!認定NPO法人高卒支援会スタッフの根本です。

今年度より、池袋教室を開室し、通信制高校サポート校・フリースクールとして利用して頂いております。

現在、埼玉県の中学生の不登校で高校受験にお悩みの保護者様からのご相談頂いております。

やはり、皆さんお悩みになるのは、『埼玉県の高校受験の制度だと、中学1年生からの学習状況が調査書に反映されるので、不登校が30日以上あると県立高校の受験がはじかれてしまい、高校受験の選択肢がない。』というものです。

 

実は、埼玉県の中学校に在籍していて不登校になっている子でも県立高校に進学することが出来る受験制度があります。

その制度が「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」というものです。「不登校特別選抜」とも呼ばれています。

今回はこの「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」について詳しくご説明します。

不登校の生徒などを対象とした特別な選抜

それでは「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」について解説していきます。

実は、埼玉県の不登校でお悩みの保護者の中でもこちらの制度を知っている方は殆どいらっしゃいません。

何故かというと、単純にこちらの制度を見つけにくいんですよね・・・

「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」については

埼玉県教育委員会のHPの令和6年度入試についてのQ&A(令和5年8月1日掲載)にて記載されています。

では実際に中身を見てみましょう。

実施する埼玉県立高校

原則として、一般募集において、全日制及び定時制のすべての高等学校で実施します。と記載されています。

直近2年の受験者数と入学許可候補数の割合は以下の通りになります。

8割以上が入学許可候補者として受験の受け入れをされていますので、非常に高い数字といえます。

保護者の方で気になる点としては、「偏差値の高い埼玉県立高校は対象になるのか?」といったことだと思いますが、

教育委員会担当の方に回答では、原則として、すべての高等学校ということで、偏差値のボーダーによって受け入れを拒否するという制度にはなっていません。勿論、注意点もございますので後ほどご説明致します。

対象と条件

〇対象…卒業見込みの者(すでに中学校を卒業された方は対象となりません。)で、在学中学校長が、不登校の生徒などを対象とした特別な選抜による出願に該当すると認めた者。

「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」を希望する場合は、まずは在学中学校に相談しましょう。

 

〇必要書類…入学願書の「特別選抜に関する申告欄」の「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」に○印をつけるとともに、自己申告書を、入学願書に添付してください。原則、郵送による出願としていますので、全ての書類を同封して提出ください。

調査書で不利にならない第1次選抜

埼玉県立高校の選抜方式は、1回きりです。

この1回の選抜試験で、第1次選抜→第2次選抜と順番に選抜を行い、ふるいをかけます。埼玉県立高校によっては第3次選抜もあります。

「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」ではこの選抜方式の第1次選抜において、「自己申告書」を提出した人を対象に、

調査書の学習の記録及び出欠の記録の得点を用いず学力検査の得点の合計、調査書の学習の記録及び出欠の記録以外の得点、その他の資料の得点並び
に「自己申告書」の内容を資料とする特別な選抜を行います。

例として今年度の埼玉県立高校の第一次選抜を見てみましょう。

こちらの学校は、学力検査が500点、調査書が405点という振り分けなので、学力検査で5教科100点を取っていても、出席が全くなく、

提出物なども出していない状態ですと、合計7割にも満たない点数になってしまうわけですが、「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」を行うことで、

学習の記録および出席状況を得点には用いらず学力検査の得点の結果や出欠等以外の部分で点数化し合否が決まるわけです。

学習の記録および出欠の記録以外で点数化する方法として、明確に記載されていませんが、不登校期間の中学校生活での取り組みが十分配慮される可能性が高いです。フリースクールや教育支援センターなどに通い通学の練習や学習に取り組むことを強くお勧めします。

また、英語検定や数学検定といった資格を取るのも、点数として換算される可能性が高いといえるでしょう。

この場合は3級以上を目指して頑張りましょう。

注意点として、 この選抜による入学許可候補者数は、第1次選抜における入学許可候補者数に含めることとするとなっていますので、

あくまで、各学校の受験者数の中の一人として数えられるということになります。

各選抜段階における入学許可候補者の割合の決定
⑴ 一般募集の募集人員の60%~80%を、第1次選抜で
入学許可候補者とする。
⑵ 次に、入学許可候補予定者数を満たすために必要な
人数の60%~100%を、第2次選抜で入学許可候補者
とする。
⑶ さらに、残りの人数を第3次選抜で入学許可候補者と
する。(第3次選抜を実施する学校のみ)

第2次選抜は調査書も関係する

残念ながら1次選抜に落ちた場合、第2次選抜の対象となりますが、第2次選抜では調査書が用いられます。

2次選抜は学校によってかなり点数配分が変わります。

例えばこちらの埼玉県立高校の2次選抜の内訳を見てみましょう。

学力検査500点に対して調査書が216点と先ほど例に挙げた埼玉県立高校の1次試験に比べて調査書による点数が約半分の内訳になっています。

実際に、この学校の1次選抜の調査書割合は300点以上となっており、2次選抜と100点も違います。

このように、2次選抜が埼玉県立高校によって配分が大きく変わるので、1次選抜で不安な方は2次選抜の調査書による点数配分の低い学校を選ぶというのも良いかもしれません。

試験内容

最後に試験内容ですが、5教科と個人面接になります。面接の内容は、学科・コース等の特色等を踏まえた質問内容になりますので、事前に学校見学やHP・パンフレットなどをチェックして対策しましょう。

合格するためには5教科の学習が必要

「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」は不登校の子でも埼玉県立高校を受けることができる制度です。

しかし、一般受験に比べてハードルが高いことには変わりません。大切なのは、不登校期間の間にどのように過ごしたかが大切です。

登校の練習も勿論のことですが、5教科必修科目の学習を行っていく必要があります。1次選抜に落ちた場合は2次選抜となりますが、2次選抜で合格するのは厳しいといえるでしょう。そのため1次選抜は一発勝負に近い試験ですが、3年間の調査書を考慮する埼玉県の高校受験の制度を考えると非常にチャンスがある制度なので、埼玉県の不登校でお悩みの方は是非ご相談ください。

 

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