ブログ

留年を避ける

杉浦孝宣は一般社団法人 不登校引きこもり予防協会としても活動しております。
杉浦への講演依頼・不登校相談も承っております。


 

高校3年生は3年間の集大成として大学受験をする人も多いでしょう。1・2年生は1年間の締めくくりとして学年末試験があり、無事クリアすれば晴れて新学期を迎えることが出来ます。単位制の高校だと、科目ごとの単位の取得の有無が問題になるので、生徒ごとに取得単位にはばらつきがあります。
 しかし、全日制の高校となると、そうはいきません。
全日制高校は必履修科目のうちで一つでも単位取得不可となると、その年度に履修した科目すべての単位が出ないことになります。
いわゆる「留年」です。これは一大事です。
卒業が1年ずれるだけでなく、精神的にも大きな負担となります。
NPOの窓口に寄せられる相談でも、留年によるものがかなり多くあります。

「周りのみんなと同じタイミングで卒業出来ない」
「一つ年下の後輩と一緒に勉強はしたくない」。

10代の気持ちはとてもナイーブで、大学入試で1年浪人してしまうのとわけが違うのです。
当然ですが、「留年」という事態は避けなければいけません。
原因としてはいくつか挙げられますが、まずは単純に試験の点数が悪いと留年に一歩近づいてしまいます。学校ごとに定められた基準点を取らないと、「赤点」となり、追試や追加レポートが待っています。多くの高校はこのような救済措置を用意しているようです。
しかし一部の私立校では、生徒の態度などを見て「留年」の文字をちらつかせ、どうにかならないかと言う保護者と生徒に、一方的に退学を迫ってくるケースもあるようです。
もう一つの原因は、欠席と遅刻の多さです。学校にきちんと行かない生徒には、これも当たり前ですが単位は出ません。
 では、実際に「留年」が決定してしまったら、どうすればよいのでしょうか。
やはり本来は、「留年」を受け入れるという決断をすべきでしょう。様々な理由があったかもしれませんが、自分の油断で招いてしまった事態です。責任を取って反省をし、一からやり直すことが大切でしょう。
しかし、学年を落とさないで卒業する道もあります。
まずは、私立の通信制高校に転校することです。サポート校と呼ばれる私立通信制高校は、1年中転校可能なところが多いです。試験の有無はそれぞれあるようですが、これなら高校生活を継続させることが出来ます。
 または、都立新宿山吹高校などの2年次欠員募集を受験する道もあります。
毎年3月に募集がありますが、一定の基準を満たしていれば受験が可能です。3教科の学力試験と面接があるので、しっかりとした準備が必要です。
さらに、高校には通わずにその先の大学や専門学校を目指す道もあります。高等学校卒業程度認定試験、「高認」受験という道です。高校を卒業しなくても大学や専門学校を受験する資格を得ることが出来ます。高校のキャンパスライフを仲間と共に送ることは出来ませんが、じっくりと大学入試の準備に専念することは出来るでしょう。
 しかし実際は、私立通信制高校に転校するケースが多いようです。学費はかかりますが、高校を卒業するには一番容易な方法かもしれません。
 

まずは留年しない努力を 

 重なりますが、まずは留年しないようにしっかり努力することが大切です。もし留年の危機に直面している方がいましたら、当会にて相談を承っております。

 

-ブログ

© 2024 会長コラム